高齢者の水分摂取って難しい。介護の現場では毎日水分摂取の量で頭を悩ませている。

介護の現場では毎日水分摂取について頭を悩ませています。
高齢者は1日に約1.5リットルの水分を補給しないといけません。
しかし、認知症等の症状があると喉の乾きもわかりにくくなってしまうので、自ら進んで水分を摂取することが難しくなります。
高齢者の脱水は、等張性脱水症(水分と電解質を同程度失う)場合がほとんどです。
声掛けや支援をしても拒否して飲水できない
認知症になると、不快な事を極端に嫌がったり、自分の現状を支援者に伝えられない問題があります。
水分補給に関しても「喉が乾いていないのに何で飲まなければ行けないのか?」や、嚥下機能の低下により咽込んでしまったり、そもそも飲水が苦しくて出来ない。等様々な理由により飲水できなくなります。
支援する私達はなるべく水分を補給していただきたいのですが、なかなか難しいのが現状です。
そこで、水分をゼリー状に固めたものを支援に使用します。
水分ゼリーは嚥下機能が低下した入居者様に有効
水分ゼリーは嚥下機能が低下した入居者様に有効です。ゼリーなので、喉頭蓋の機能が低下していて動きが悪い場合でも上手に食堂へ水分を運んでくれます。
また、スプーンで支援出来るため、直接ストローやコップを使用して飲水する場合に比べて自分のタイミングで嚥下できるので咽こむリスクが低減します。
電解補水液をゼリー状にすることで電解物質も摂取でき、等張性脱水症を防ぐことにも繋がります。
それでも飲水できない入居者様がいる
それでも飲水できない入居者様がいます。
胃の形状が問題(後に嘔吐の原因になる)だったり、どうしても口に水分を入れるのが嫌だったり、理由は様々ですが、どうしても水分摂取できない事があります。
そんな時は時間を空けてゆっくり少しづつ何度でも摂取できるようにしたり、味を変えたり、色を変えたり、と工夫しますが、それでも難しいのが現状です。
現場の介護員の努力だけでは限界もある
1日の水分摂取量が500mlになり、400mlになり、と少なくなっていくといよいよ医療的な処置が必要になってきます。
具体的には病院での治療が必要なのですが、お看取りの入居者様についてはそのまま水分摂取何とか継続していく形になります。
水分摂取は食事の摂取より重要度が高く、命に直結するため、毎日注意深く看ていますが、「高齢になると200mlの水分を摂取するのがこんなに大変になるのかと」驚いてしまいます。
- 私達が簡単に飲んでいるコップ一杯の飲水が、高齢者にとっては大変な労力が必要であること。また、そのせいで「飲水したくない」と思ってしまう高齢者が多いこと。
- ゼリー状の水分でも無理やり飲水すれば誤嚥を起こしてしまうこと。
- 介護員も限られた時間内に支援するのは限界があること。
介護の現場で日々飲水の支援に奮闘している介護員さんには本当に頭が下がります。