耳掃除はしたいけど、こわくて手が出せない

耳かき耳掃除

お年寄りの耳掃除したいけど、怖くて手が出せない場合がある。

今回はご家族からの要望で、耳垢を掃除することになったんですが、ライトで照らすと外耳道の入り口から1.5cm位の場所に耳垢が溜まっています。
見た感じだと、ネバネバしていそうで、一部に固着があるかもしれない状態でした。

ご家族に「これは無理に取ってしまうと外耳を傷つけてしまうかもしれません。出来れば耳鼻科に行って除去して頂いた方がいいと思います」とお伝えすると、「直ぐに見えるのにねえ」「ちょちょっととれないのかしら?」と困惑されていました。

外耳道の入り口から見える耳垢でも場合によっては無理に取ると傷つけてしまう

外耳道の入り口から近い位置にある耳垢でも、耳垢の種類や状態によっては無理に取ると外耳を傷つけてしまうので、注意が必要です。

この入居者様は入所してから5ヶ月程度が経ちますが、耳掃除をしようとしても傷つけてしまう可能性があり、難しい入居者様でした。ご家族にその話をすると「そんなに難しいの?」と不思議そうされてしまいます。

耳垢の種類が、粘性のある物で、耳垢栓塞気味になっています。このような場合、皮膚と固着している可能性があり、無理に取ろうとすると外耳を傷つけて菌が入り、耳の下にあるリンパ腺が腫れて激しい痛みを伴ったり、膿が出てきて難聴になってしまうケースもあります。

耳の中は非常にデリケートなゾーンで、傷ついたりしたら簡単に菌が侵入してしまいます。そんなリスクを避けるためにも耳垢は耳鼻科で除去してもらうのが良いでしょう。

お年寄りの耳かき頻度

お年寄りは耳垢を外に排出する機能が衰えています。咀嚼や会話により顎を動かすことによる、運動機能や新陳代謝によって耳垢は自動的に排出される仕組みになっていますが、その機能が高齢により衰えてくると耳垢の排出が難しくなります。

だからといって頻繁に耳掃除をすると耳の中を傷つけてしまうことになります。免疫機能も衰えていることを考えると、介護員が掃除する頻度としては1ヶ月に1回くらいで十分では無いでしょうか?介護の現場としては半年に1回くらい耳鼻科に行って耳掃除してほしいと思ってしまいます。

お年寄りの耳掃除は大切

お年寄りの耳掃除が大切な理由は、難聴が認知症と深い繋がりがあるためです。
難聴になるとどのような生活になるか考えてみましょう。

  1. 他人と話をする機会が減る。
  2. 周りの音が聞こえづらいので、生活の気配などが分からない
  3. 一人の世界に閉じこもってしまう
  4. 友達も居ない生活なので、鬱傾向になり易い
  5. 自立した生活を営めなくなる。

という生活になってしまいます。まんま認知症の症状ですね
1番ですが、他人と話をする機会がかなり減ります。聞こえづらいので、話をするのが億劫になり、自分から話しかける頻度が激減します。
「私はもう話なんかしなくてもいいや。
何言ってるか分かんないし」と諦めモードになってしまう入居者様も。

2番は、生活の中にある音も聞こえないので、周りが何をしているのか?どのような状況なのか把握できなくなってしまいます。
だからゆっくり食事をしていて、周りの人が食事を早く食べ終わっていると、いつの間にか自分だけが取り残されているように感じてしまうことも。
「なんで私だけ、ここで御飯食べているの?」と泣いてしまう入居者様もいました。

3番目は、会話も出来ないし、音も聞こえないので、周りの世界と環境から孤立して自分の世界に閉じこもってしまう事が多いです。
その場合テレビも見ることがありません。テレビを見ても何を言っているのか分からないためです。
一人の世界に孤立するとやることは「一日中寝ている」が多くなってしまう気がします。
4番目、友達が居ないから鬱傾向に。これは女性に多い気がします。コミュニケーションを大切にする女性は話をすることで、安心感を得ています。
ですが、友達が居ないとなると不安になり鬱傾向になり易い状態に。

友達になりたい人が居ても、耳が聞こえないことを相手が受け入れてくれないと仲良くするのは難しいです。
認知症がある物同士だと耳が聞こえなくても良いお友達になることもありますが、そのようなケースはまれで、耳が聞こえないことは友達を作る上でも大きなハンデになり易いのです。

5番目、鬱になってしまうと、自立した生活が営めなくなります。何でも人に頼った生活をしてしまいがちに。また、周りにいつも不満を抱くようになってしまいます。

今回ご家族から耳掃除の要望があった入居者様はこのような傾向が見事に当てはまっていました

耳鼻科に行って耳掃除をすれば以前より聞こえるようになり、生活の質が改善するのではと思っています。

また上記のような状態を放置することで認知症も重度化していきます。

生活から刺激がなくなると途端に認知症が進行します。視覚と聴覚は外部情報を受容する二大感覚器官です。受容する情報が減ればそれだけ刺激が少なくなるのは当然です。

外から情報を得られない生活になれば、当然生活の質は低下していくことになります。また精神にも多大な影響を及ぼし、認知症だけでなく、うつ病やその他の疾患の原因にもなり得ます。

たかが耳掃除ですが、注意して診ていきたいですね。

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