昔を引きずるベテラン介護員

ベテラン介護員

前記事の昔の介護現場はどうだった?に記載された、ベテラン介護員が働き始めた時代背景を踏まえ、介護業界が働き易い環境にならないのは「ベテラン」と呼ばれる職員が原因か?というテーマで話を進めてみます。

介護業界は介護保険制度が始まる前、措置制度時の悪習を未だに引きずっている

介護保険制度が始まる前は、措置制度によって介護が提供されていました。

施設は入居者を選べないし、入居者も施設を選べません。

全額税金により成り立っており、介護職員は公務員のような扱いでした。

この時代の介護といえば、大人数を少ない数の職員でカバーしていくので、介護の中身よりもスピードと正確さが重視されています。

そもそも介護という分野がまったく世間から注目されていなかった時代です。

ですから、介護といっても排泄、食事、入浴を提供すればそれで良しとするものでした。

それ以外の介護を提供しようなんて余裕はとてもありません。

介護保険制度が始まり、その様な状態から少しずつ改善され、「入居者様の視点から」という考え方が取り入れられていきました。

しかし、措置制度時代から介護をしていた介護員は困惑します。

介護に対する考え方が全く変わろうとしていたからです。

「入居者様の視点から」なんてものを大切にしていたら現場が回らない。

そんなものは理想論だ。

と頑なに今までやっていた介護を変えようとしませんでした。

このくらいの時から昔の介護に固執する人と、新たな介護に挑戦する人や組織に分かれていきます。

昔の介護に固執した人は次第に取り残されていきます。

取り残されても尚、やり方を変えようとはしません。

介護は業務なのであって、サービスではないのです。

結果、悪習を今まで引きずっている状態です。

昔の介護を知っている人は口を開けば「昔のほうが大変だった。今は楽だよ。」と言う

昔の介護を知っている人は口を開く度に「今の介護員は楽している。

もっと苦労するべきだ。」「我々の頃は起床だけで50人はザラだった。」

「昼食を食べる暇もなかった」と大変だったことを強調します。

言っていることはまるで老害ですが、まあ大変だったと思います。

職員は税金で養われていたので、おいそれと増やすことは出来ませんし。

ですが、それだけ競争も倒産もないリスクの少ない仕事で、年収も600万になる人も居たみたいですが。

昔の介護と今の介護は全く違う

昔の介護を基準にして「今は楽な仕事になった」と言っている職員は、介護が全く違う仕事になっていることに気づきません。

業務色が強かった介護の現場が、サービス業へと変貌したのです。

サービス業になったということは競争しないと生き残れないということです。

現場が業務だけしか出来ないということは、入居者をサービスを提供できる他の施設に奪われる事になります。

ここらへんが全く違う。

入居者を奪われた場合、倒産や解散も十分に有り得るということです。

全く違う厳しい環境に晒されています。

競争を意識したことのない人には理解出来ないと思います。

外部と競争しなくても生きていけたのが措置制度時代の介護業界です。

サービスを提供する時代になっても相変わらず大切なのは「業務」のベテラン介護員

「サービスを提供する」「競争がある」ということが全く理解出来ず、ひたすら昔の介護を基準に考え、サービスが提供できないベテラン介護員。

新人職員に対しても昔の介護しか教えることが出来ません。

結果、「私はこれだけの仕事量をこなしているのになんで他の人はこんなに仕事していないの?」とイライラするばかり。

サービスを提供している介護員にもイライラしてしまいます。

「忙しいのに何で入居者とニコニコ話ししているの?そんなに暇なら手伝って頂戴!!」
と、怒号が飛びます。

新人職員や、他業種から転職してきた介護員はビックリです。

何時も怒鳴り散らして、スピードが早いことを自慢してきます。

そしてこう思ってしまうのです。

「この業界はおかしいのではないか?」

ベテラン介護員に育てられた新人職員

そんなベテラン職員に一生懸命について行って成長した新人介護員。

「業務しか出来ない」介護員に成長しました。

サービスを提供する方法や価値が分からないのです。

可愛そうですが、もう価値観が変わることはありません。

介護業界で働く限り介護=業務という価値観が変わることはないでしょう。

サービスを提供する介護員を「仕事が遅い」と見下しつつ、「あの人に比べて私はスピードも早いし、仕事の量も多い」と自信を深めていきます。

その職員がまた新しい職員を育てます。

負の連鎖が続くことになり、何時までも変わることがありません。

負の連鎖を断ち切るためには、競争により淘汰される必要がある

競争がないので、腐る。

競争がないので、負の連鎖が断ち切られない。

介護保険制度が始まったと同時に、競争しないと経営が成り立たなくなったのです。

これから競争に負けた施設は淘汰される事で、まともな施設が生き残って、良い遺伝子を引き継ぐ必要があると思います。

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