介護支援者が意識してゆっくり動くメリット

動きの早い介護員

介護の仕事に関わってもう6年以上が経過しました。
せっかちな性格が災いして、どうしても動きが素早くなってしまいます。
動きが早いのと仕事が早いのは別問題だし、介護の仕事で早い動きは厳禁だと分かっていますが、どうしても癖が抜けません。
今回は素早い動きがどれだけ無駄なのか考えてみます。

素早い動きは介護に必要ないのでは?

例えば、飲食店のホール担当者が素早く動いて仕事をしていたら食事をしているお客様はどう思うでしょうか?
私なら「落ち着かない店だな~ 忙しないから早く出よう」と思ってしまいます。
当然ですよね。ゆっくりしたいのになぜ忙しなく私まで追い立てられなければいけないのか。
動きの早い人が周りにいると、自分まで忙しない心境になります。

これを介護に当てはめれば、動きの早い介護員の周りで生活している入居者様は常に追い立てられる精神状態になると思います。
動きの早い介護員は全く気づきませんがね。

事実、私も入居者様に「セカセカさん」のようなアダ名を付けられたこともあります。
私自身は全く気づきませんでした。

ではなぜその様に動きが早くなってしまうのか考えてみます。

  • 心に余裕がない

頭の中は常に次の仕事を処理することで一杯です。
どんな仕事をしていても、目の前にある仕事に集中しているようで、もう次のことを考えています。
なので、心に余裕がなくなります。
「早く終わらせて、時間に余裕を持たせないといけなきゃ」と、想定外の事態まで配慮しています。
その想定外が、あるかもしれないし、ないかもしれない。
でも心は常に「ある」と思って時間を気にし、「早く終わらせないよう」という衝動にかられます。
心に全く余裕がないことをむしろ「気持ちがいい」とさえ思っています。
ある意味忙しいことに依存している心理状態なのではないでしょうか?

  • 余裕がないから急いで仕事をしているわけではないです。
  • 忙しい状況に依存しすぎて本人も分からなくなっているだけです。
    忙しいことが「気持ち良過ぎる」のです。

    依存症なので根本的に考え方を変えないといけません。
    そもそも介護に向いていない人です。

    ゆっくり動くことこそが最良のサービスだと思わないといけませんね。

  • 介護の仕事をスピート競技と勘違いしている

介護の仕事を時間がどれだけ短縮できたか競い合う競技と勘違いしている場合もあります。
この様な人は上記の「忙しさに依存」+「競い合うことに依存」している人です。
自分は仕事が出来る人間なんだという承認欲求が人一倍強い場合もあります。
なので、誰よりも早く終わらせることが重要です。
支援や介助を早く終わることで気分は最高の状態です。

  • この様な人も根本的に介護に向いていませんん
  • スピードが求められる職種で働くのが一番だと思います。
    基本的に優秀な人なので、ちょっと依存するものを変えれば素晴らしい介護員に化けるのですが・・・・

なぜこの様な人が出てくるのか?

今までの介護業界にスピードを重視する職員が大多数だった。
スピードを重視する介護員が優秀なので発言権もあった。
遅い介護員は、仕事ができない人だとレッテルを貼られて隅に追いやられていた。
介護の価値観がスポーツのようなものだった。
早い仕事に満足して精神的に依存するようになった。

介護職員が早く動くだけで色々な弊害がある

  • 物品の扱いが雑だから生活音が特大

扉を占めるにしてもゆっくり閉めないといけませんが、何でも急いでいる介護員です。
扉らも「ダン!」と思いっきり閉めます。
その音だけで入居者様はお腹いっぱいです。
更にお皿を洗っても、椅子を動かしても、車椅子を移動させても全てにおいて特大級の音を発生させます。
その職員がどこにいようが存在を察知することが出来ます。
「今日は居るな」と誰もがわかる職員です。

  • 自分が怪我する

動きが早く雑なので、手はいつも内出血だらけ。
見ていて痛々しいです。
時には皮膚が剥離して出血しています。
痛々しくて見ていられません。優しい入居者様は「おやおや、だいじょうぶかい?可哀想にねえ」といたわってくれるほどです。

  • 入居者様を怪我させる

自分の怪我に気づかないほどです。
入居者様の怪我にも気づきません。
内出血ができた入居者様をみて「いつ出来たんだろう?」と本気で悩んでしまいます。
実は車椅子に足をぶつけていたり、オムツ交換する時に柵に手をぶつけていたり。

  • 入居者様が不穏に

一番大きな弊害は入居者様が不穏になってしまうこと。
その職員がいるだけで、ソワソワしたり、怒りっぽくなったり、食事や入浴を拒否したり。
こうなると全体に影響が出てしまいます。
夜勤でセカセカ職員がやったことは全て、日勤者に降りかかります。
負の連鎖を断ち切る役目を負わされた日勤者は悲劇です。
ひたすら入居者様の精神を落ち着かせなくてはいけません。
じゃないと、転倒事故などにつながってしまいます。

どうしたら早い動きをゆっくりに改善できるのか?

  • 改善するには依存していた対象を変化させるしかありません。
  • ゆっくり動くことで得ることが出来るメリットをひたすら説明して組織全体に浸透させます。

そのためには発言力のある仕事が早い職員から依存対象を変更させる工夫をしていく。追いかける人参を他の物に変えるイメージです。入居者や組織にとってメリットがあるものに変更します。
信頼され、発言力のある職員がゆっくり動いて仕事するようになれば、他の職員も依存していた対象を変更するのではないでしょうか?
依存していた理由が、早いと信頼されたからとか他の職員に迷惑をかけなかったから等の理由であるなら、依存させていた他の職員も居るはずなのです。
その職員を上手く誘導して依存対象を変更させるのは大変かもしれませんが、全体が変わらないと個人は変わらないと思ったほうが良いと思います。

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