「少ない職員で廻している。私達はすごい仕事ができる介護員だ!」完全に勘違いです。介護はサービス(付加価値)を提供してなんぼです

付加価値を生み出す

職員の数が少なくてもユニットを廻すことが出来る。
これは施設側からとっても、非常に優秀な職員だと思います。
人件費はかかりませんし、どんなに辛い状況でも、高いモチベーションで乗り切ってくれます。
しかし、介護という観点から考えると、「少ない人数で廻せるから何?」と思ってしまいます。
業務を消化するのが優秀だから介護が出来るとは言えません。
介護サービスを提供するという視点から考えると、業務しか廻せない職員は全く役に立ちません。
今回は介護サービスについて考えてみます。

少ない職員でユニットを廻している介護員が「自分達は優秀だ」と勘違いする

ユニットの職員数が少ないと、業務に忙殺されてしまい、介護サービス(付加価値)を提供する暇がありません。
ユニット制の施設は、業務の数が非常に多く、介護の付加価値を作り出す余裕が無い。
では職員の人数が満たされ、時間に余裕が生まれると、業務に忙殺されていた職員はどの様な行動をとるか?

ほとんどの職員が、何をしたら良いのか解らなくなって何もしない。もしくは、今までと同じ最低限の介護業務をゆっくりやるだけでした。
時間が出来たから何かやろう!とはなりませんでした。

付加価値を作り出す行為を全くやってこなかったので、決められた介護業務以外は全く何も出来ません。
自分たちが優秀だと思っていた仕事の内容は、決められた介護業務の仕事だけです。

何の付加価値も提供できないので、裏方のように日常業務を廻す以外に価値がない存在になってしまっている事に気づかない。
この様な人は重宝されますが、同じ様に日常業務を廻すことしか出来ない人は幾らでも居ます。
代わりはいくらでもいるので、市場価値が低いです。
また、決められたことしか出来ないので、組織の奴隷として生涯を終える人が多いのも特徴。
何か新しいことに挑戦する意識までも失ってしまう。

では、どうしたら決められた業務以外にも付加価値を作り出せるようになるのか?

介護の付加価値とは?

介護の付加価値とは、対象としている個人や集団にとってどの様なサービスを提供するか、もっとも深い所まで追求したもの。
そのためには、対象としている人が何を考え、どうしたら喜ぶのか?データを持っている必要があります。
データを収集するためには毎日注意深く観察しないといけません。
そのデータも分類して、使いやすいように加工しておかないと意味のないものになってしまいます。
観察、記録、整理、なぜその様になったのか?思考する。
この作業を何度も繰り返す事で、どの様な付加価値のあるサービスを提供すれば良いのか見えてきます。

  • Aさんの例え

例えば、「Aさんは昔の人情物の映画が好きだ。なので、昼食後におやつを食べながら映画を観ることが出来るようにしよう。」
ここまではごく普通の思考です。
ここから更に、映画のどの場面が好きで、特に反応するシーンは何なのか?
Aさんとそのシーンにはどんな接点があるのか?
よく観察すると、貧乏な家族が皆で集まり、ワイワイ食事を食べているシーンが好きなようだ。すると、何時も食事を召し上がる時は一人で居るほうが安心できて良いと思われていたAさんが、実は他の人と話しながら食事した方が、楽しそうに沢山召し上がる事が分かった。

ごく当たり前のことをやる

この事例は断片的な情報しかなく、実現するまでには座席の位置や他の入居者との相性、職員のフォロー等、細かい部分まで詰めて行かないといけませんが、観察しないと分からなかった事です。
表情や仕草を見て記録、整理、なぜなのか思考していると解ることが沢山あります。
その中からサービスとして提供できそうな事を見つけていきます。

やっていることは介護の世界でごく当たり前の事です。
が、情報を記録して整理することは殆どないのでは?

記録して整理する

記録して整理する事で、行き当りばったりにならず、論理的に考えることが出来ます。
戦略を構築する上では非常に重要なことですが、実際の介護現場で記録して整理する時間は殆どありません。
職員間で、気づいたことがあったら記録してほしいとお願いすることはあっても、整理して使いやすい情報に加工するまでしないと思います。時系列にまとめたり、カテゴリーに分類するなどしない限り有益な情報とはならない。
情報とは整理されていないとゴミになってしまう。
ゴミをいくら集めても価値を持たせることは出来ない。
価値ある情報にするためにも、情報を整理するシステムを活用しましょう。

介護の付加価値は情報収集から

介護サービスの付加価値を高めるためには情報収集が鍵になります。
収集した情報を分類、整理して更に加工までしておくことで、その情報を見た人が、新しいサービスの可能性を発見する事ができる。

情報収集出来る環境を構築するためには、最低限以上の人員も必要です。
記録する時間や余裕がないといけません。
余裕ができたら、ダラダラして、時間を捨てない様に注意します。

毎日記録した情報を整理する時間を作りましょう。
整理されていれば後にサービスを考える基盤になります。
日常の介護業務で忙殺されていたのでは何時まで経っても新しい事を考えることすら出来ません。

介護業務から抜け出して、情報収集しながら自分で考えることが出来る環境を構築しましょう。

そうしていかないと、量産される介護業務しか提供できない介護員の中に自分も埋もれてしまいます。
何処の施設に転職して、どんな職場で働こうとも、市場価値のある介護員にはなれないでしょう。

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